【検証#06-1】トレンド/レンジ・レジーム判定を設計する — 聖杯なき前提と「ふるまい」へ¶

この記事の3行まとめ
- 🧭 検証#06 連載の第1回:ボリュームが大きいので #06-1 / #06-2 … と分割して、まずは設計思想と仕様書から公開します
- 🚫 聖杯は仮定しない:巷のロジックは多いが普遍装置にはなりにくい、という前提で、条件付きのふるまい(レジーム)とマーフィー的な過信をどう数値化するかを整理しました
- 📄 根拠は仕様書に:対話を踏まえた全文は 開発仕様書(執筆用・サイト非公開) に集約し、本サイトでは本連載の各回に要約を載せる(本稿はそのエッセイ版です)
この連載【検証#06】について¶
コラム一覧では、すでに 【検証#01】ハースト指数、【検証#04】ハースト実践編、【検証#05】DMTS と、相場の「状態」を読む系の記事を積み上げてきました。
今回の 【検証#06】 は、それらを束ねるようなテーマです。「トレンドか、レンジか」をマーチンゲールEAにも順張りEAにも使える形で出す新インジを、開発者視点で本気で設計します。記事が長くなる見込みのため、#06-1(本稿)=構想・仕様/#06-2以降=実装・検証・配布のように分割していきます。
きっかけ:Cursor 上の対話から仕様書が生まれた¶
本テーマは、執筆者(私)と AI アシスタントのやり取りから形になりました。
- 課題感:ハースト指数によるレンジ/トレンド判定(
Ind_HurstTrendRange_v107.mq5等)は有用だが、長い窓が必要で遅効性がある。より実戦に効くレジーム推定を、マーチン系・トレンド系の両方に組み込みたい。 - 要求:「そもそもトレンドとは/レンジとは」という概念の考察から入り、巷の評判、学術、様々な垣根を取り払い、精度の高い判定ロジックに落とし込みたい。
- 成果物:まず 開発仕様書 を執筆用に起稿した(単一ファイルへのリンクやパスは本サイトでは示さない)。
ブログ記事は「その要約と文脈」、仕様書は「契約としての全文」という役割分担です。
言葉のメモ:刺激の強い語は読み手のため言い換えた¶
対話の中では、直感や口伝に近いものを話題にしたとき、表現が強すぎると誤解を招くことに気づきました。仕様書では、検証可能な形に翻訳したうえで特徴量に載せる、という方針はそのままに、見出しや本文の語を穏当なものに揃えています。
- 「口伝めいた語り」「根拠のない秘伝話」 → 採用しないが、月初・週末・ロール前後のような統計的に検証可能なアノマリーは候補にする。
- マーフィー的・直感的という言葉は、神秘化せず、「高い確信と、実際の短期ふるまいのズレ」として スコア化する、という設計に接続する。
なぜ「定義」だけでは足りないか¶
本連載の出発点にもある通り、トレンド相場 vs レンジ相場 は永遠の難問です。同じチャートでも、時間軸と窓長を変えるとトレンドにもレンジにも見える。
そこで仕様書では、静的なラベルだけでなく、
- 流動性やセッションの切り替え
- ボラティリティ状態の切り替え
- 「いちばん頼りたいときに指標が裏切る」ような経験(過信と現実のズレ)
を含めて、「何かが起きたあと、市場がどちらのふるまいに寄りやすいか」として扱う、というふるまい中心の設計にしました。
聖杯はない、ではどんなエッジを探すか¶
仕様書では、探さないものとして「すべてのバーで正しい単一の真実」「過去にだけフィットした複雑な黒箱」を置き、探すものとして次を挙げています。
| 探すもの | イメージ |
|---|---|
| 条件付き優位 | 構造スコアとコンテキストの組み合わせで、誤判定が減る部分集合 |
| レジームの転換 | テクニカル単体では拾いにくいストレス・矛盾 |
| マーフィー耐性 | 過信しやすい局面で信頼度を下げる/UNKNOWN を出す |
| 用途適合 | マーチン用と順張り用で別プリセット(偽レンジと遅れは致命傷が違う) |
仕様書に書いた「アーキテクチャの骨格」(第1弾のここまで)¶
構造として ミクロ/メソ/マクロ の3層に加え、コンテキスト層(セッション、曜日、アノマリー、スプレッド等)を第一級にしました。
さらに マーフィー層 と呼べるブロックで、高確信と短期ふるまいの矛盾を MURPHY_SCORE のような形に落とす想定です。出力には REGIME / TREND_SCORE / CONFIDENCE に加え、CONTEXT_SCORE(状況の「通常度」)や MURPHY_SCORE(過信・裏切りリスク)を推奨出力として定義しています。
詳細な表・フェーズ分け(P0〜P3)は、すべて 開発仕様書 に集約しており、本サイトでは【検証#06-2】以降の記事に抜粋を随時反映します。
次の回(公開済み)¶
- 【検証#06-2】 …
Ind_TrendRangeRegime_v100(P0)と バッファ契約 - 【検証#06-3】 …
Ind_TrendRangeRegime_v101(P1 CONTEXT 拡張・P2 任意ハースト融合) - 【検証#06-4】 …
Ind_TrendRangeRegime_v102(平滑・MTF ADX 確認)
これ以降(予定)
- デモ口座での 検証、マーチン/順張り プリセット、
MURPHYの精緻化 など
まとめ¶
【検証#06】は、「トレンド/レンジを高精度に判定するインディケータ」を、聖杯なき前提とふるまい・コンテキストの視点で設計する連載です。第1回は AI との対話を経て仕様書に落とした経緯と、読みやすい言葉への言い換え、記事と仕様書の役割分担を整理しました。
次回は 実装と検証 に踏み込みます。同じテーマを追いたい方は、コラム一覧のブックマークと、本連載の続稿をご一緒に追っていただけると嬉しいです。
関連記事¶
あわせて読みたい
関連用語¶
前後の記事¶
前: 【検証#05】市場の「磁力線」を数学で炙り出す — Dynamic Magnet Trend System (DMTS) の全貌 次: 【検証#06-2】トレンド/レンジ・レジーム判定インジ P0 — バッファ契約と MQL5 実装