デモ口座で稼働中!マーチンゲールEAの全仕様を公開¶
この記事の3行まとめ
- 🤖 実際にデモ口座で毎日動いているマーチンゲールEAの設計を全公開
- 🐊 エントリーはアリゲーター × ハーストフィルターの二重判定
- 💰 利益抜き取り機能で「壊れても勝つ」を自動化
はじめに ― 理論から実践へ¶
実験#01では「壊れても勝つ」マーチンゲール戦略の設計思想を、実験#02ではXMTradingを選んだ理由を書きました。
今回はいよいよ、実際にデモ口座で動かしているEAの仕様を全て公開したいと思います。
ソースコードの公開について
今回の記事は設計仕様の解説に特化しています。
ソースコード(MQL5ファイル)は、もう少し運用データを蓄積してから後日公開予定です。
お楽しみに!
EA全体像 ― 5つのモジュール¶
このEAは、5つの要素が連携して動いています。
flowchart TD
A["🐊 アリゲーター<br/>(エントリー判定)"] --> B{"🔬 ハーストフィルター<br/>H ≤ 0.48 ?"}
B -->|Yes| C["📈 新規エントリー<br/>(L1: 0.05ロット)"]
B -->|No| D["⏸️ 見送り<br/>(トレンド相場と判断)"]
C --> E{"📊 含み損が拡大?<br/>PIPステップ到達?"}
E -->|Yes| F{"🔬 ハースト<br/>H ≤ 0.70 ?"}
F -->|Yes| G["🔄 ナンピン追加<br/>(L2→L3→L4)"]
F -->|No| H["⏸️ ナンピン停止"]
E -->|No| I{"✅ 利確条件?"}
I -->|Yes| J["💰 全決済<br/>→ 利益抜き取りチェック"]
I -->|No| K{"⚠️ ハースト ≥ 0.80<br/>× 3本連続?"}
K -->|Yes| L["🚨 緊急対応<br/>(停止 / 全決済 / ヘッジ)"]
K -->|No| E
G --> I それぞれのモジュールを詳しく見ていきます。
第1章:エントリーロジック ― アリゲーターの「口開き」を狙う¶
なぜアリゲーターなのか¶
エントリーの判定には、ビル・ウィリアムズのアリゲーター・インジケーターを使っています。
このインジケーターは、3本の移動平均線(SMMA)で構成されていて、それぞれに面白い名前がついています。
| ライン | 期間 | シフト | イメージ |
|---|---|---|---|
| 🟦 ジョー(顎) | 13 | 8 | 長期トレンド(ゆっくり動く) |
| 🟥 ティース(歯) | 8 | 5 | 中期トレンド |
| 🟩 リップス(唇) | 5 | 3 | 短期トレンド(素早く反応) |
アリゲーターが「口を開ける」=3本のラインが広がる瞬間が、トレンドの始まりとされています。
エントリー条件¶
買いシグナル(アップトレンド):
- リップス(緑) > ティース(赤) > ジョー(青)の順に並ぶ
- 前のバーではこの並び順ではなかった(=クロスした瞬間)
- 口の開き(3本の最大値 - 最小値)が 3pips以上
売りシグナル(ダウントレンド):
上の逆(リップス < ティース < ジョー、かつクロスした瞬間)
なぜ「口の開き」を条件に入れたのか
3本のラインが密集している状態(アリゲーターの眠り)でクロスしても、それはダマシになりやすいと考えました。ラインがしっかり広がっている = 相場にモメンタムがある時だけエントリーするようにしています。
決済条件(単独ポジション時)¶
マーチンゲールが無効の場合(テスト用)の決済方式です:
| 条件 | 設定値 |
|---|---|
| 利確(TP) | 40 pips |
| 損切り(SL) | 25 pips |
| クロス決済 | リップスとティースが逆クロスで決済 |
ただし、マーチンゲールモードでは個別のTP/SLは使わず、バスケット(全体)単位で管理しています。
第2章:ハーストフィルター ― 「今の相場はレンジか?」を数値で判断¶
3段階のフィルター¶
実験#01でも紹介したハースト指数を、このEAでもフィルターとして組み込んでいます。
| 段階 | ハースト閾値 | 判定 | EAの動作 |
|---|---|---|---|
| 🟢 エントリー許可 | H ≤ 0.48 | レンジ相場 | 新規エントリーOK |
| 🟡 ナンピン許可 | H ≤ 0.70 | 中程度のトレンドまで | ナンピン追加OK |
| 🔴 緊急対応 | H ≥ 0.80 × 3本連続 | 強いトレンド | 緊急モード発動 |
計算の設定¶
| パラメータ | 設定値 |
|---|---|
| 計算時間足 | H1(1時間足) |
| 計算期間 | 100本 |
| 計算手法 | R/S分析(対数リターンベース) |
エントリーの閾値を0.48にしているのは、実験#01で検証した結果、この値が「レンジ相場の可能性が高い」と判定できるラインだったためです。
第3章:4レベルマーチンゲール設計¶
ロットとPIPステップの全体像¶
このEAの心臓部です。最大4レベルまでのナンピンを行います。
| レベル | ロットサイズ | PIPステップ | 累計ロット |
|---|---|---|---|
| L1 | 0.05 | — | 0.05 |
| L2 | 0.07 | 20 pips | 0.12 |
| L3 | 0.11 | 40 pips | 0.23 |
| L4 | 0.16 | 80 pips | 0.39 |
ロット倍率:1.5倍¶
各レベルのロットは前レベルの 1.5倍 です。
L1: 0.05
L2: 0.05 × 1.5¹ = 0.075 → 0.07(切り捨て)
L3: 0.05 × 1.5² = 0.1125 → 0.11
L4: 0.05 × 1.5³ = 0.1687 → 0.16
2倍にすると攻撃的すぎて資金効率が悪くなり、1.2倍だと回収力が弱い。1.5倍が個人的にちょうどいいバランスだと感じています。
PIPステップ:2倍ずつ拡大¶
ナンピンの間隔はレベルが深くなるほど広くなります。
固定間隔(例:全レベル20pips)だと、一方向の相場で連続してナンピンが発動してしまいます。2倍ずつ広げることで、深いレベルほど慎重にエントリーする設計にしています。
動的テイクプロフィット¶
ポジション数に応じてTPを変えるのが、このEAの特徴の一つです。
| ポジション数 | TP | 考え方 |
|---|---|---|
| 1ポジ | 30 pips | 余裕があるので大きめに狙う |
| 2ポジ | 25 pips | やや絞る |
| 3ポジ | 20 pips | 含み損があるので早めに回収 |
| 4ポジ | 15 pips | 最大リスク。最速で脱出 |
利確判定は加重平均価格ベースで行っています。全ポジションの加重平均エントリー価格から、現在価格がTP分だけ有利に動いたら一括決済します。
第4章:リスク管理 ― 3つの安全装置¶
① バスケットストップロス(残高の100%)¶
全ポジションの合計含み損が、口座残高の100%に達したら強制全決済します。
実質的にはゼロカットと同等の設定ですが、EA側でも損失を管理していることが重要です。ゼロカットに頼りきりにせず、自分で損切りラインを明確にしておくことで、想定外の動作を防いでいます。
② 緊急対応モード(ハースト ≥ 0.80)¶
ハースト指数が0.80を3本連続で超えた場合、強いトレンドが発生していると判断して緊急対応を行います。
3つのモードから選択可能です:
| モード | 動作 | 使い分け |
|---|---|---|
| ナンピン停止 | 追加ポジションを止め、反転を待つ | デフォルト。最も保守的 |
| 全決済 | 損失を確定して撤退 | 確実にリスクを断ちたい時 |
| ヘッジ | 反対方向に同ロットで両建て | 損失を凍結し、戻りを待つ |
現在のデモ口座ではナンピン停止モードで運用しています。
③ 最大ポジション制限(4レベル)¶
L4が最大です。これ以上のナンピンは行いません。実験#01のレベルテストで「90%以上のサイクルがL3以内で収まる」という結果が出ていたので、L4で制限をかけています。
第5章:利益抜き取りメカニズム ― 「壊れても勝つ」の自動化¶
仮想出金のしくみ¶
実験#01で最も伝えたかった「利益抜き取り戦略」。このEAでは、それを自動的にシミュレーションしています。
flowchart LR
A["実残高<br/>130,000円"] --> B["累計出金<br/>20,000円"]
B --> C["仮想残高<br/>110,000円"]
C --> D{"仮想残高 ≥<br/>初期資金 + 出金単位?<br/>110,000 ≥ 110,000?"}
D -->|Yes| E["🎉 出金実行!<br/>+10,000円"]
D -->|No| F["待機"] 計算ロジック¶
| 項目 | 計算式 |
|---|---|
| 仮想残高 | 実残高 − 累計出金額 |
| 出金トリガー | 仮想残高 ≥ 初期資金(10万円)+ 出金単位(1万円) |
| 出金額 | 1万円ずつ |
つまり、バックテスト上の残高が膨らんでも、「本当に自分のポケットに入る利益」だけをカウントする仕組みです。
なぜ「仮想」出金なのか¶
バックテストでは実際に出金できないため、仮想的に出金をシミュレーションしています。リアル運用では、この仮想出金のタイミングに合わせて実際に出金を行います。
チャート上のリアルタイム表示¶
EAは常にチャート上に以下の情報を表示しています:
- 累計出金額と出金回数
- 未出金利益(仮想残高 − 初期資金)
- ★総合利益(出金済み + 未出金利益)
- 現在のマーチンゲールレベルとサイクル数
第6章:全パラメータ一覧¶
現在のデモ口座で使用しているパラメータの一覧です。
アリゲーター設定¶
| パラメータ | 値 | 説明 |
|---|---|---|
| Jaw_Period | 13 | ジョー(青)期間 |
| Jaw_Shift | 8 | ジョーシフト |
| Teeth_Period | 8 | ティース(赤)期間 |
| Teeth_Shift | 5 | ティースシフト |
| Lips_Period | 5 | リップス(緑)期間 |
| Lips_Shift | 3 | リップスシフト |
ハーストフィルター設定¶
| パラメータ | 値 | 説明 |
|---|---|---|
| UseHurstFilter | true | ハーストフィルター有効 |
| HurstTimeframe | H1 | 1時間足で計算 |
| HurstPeriod | 100 | 計算期間100本 |
| MaxEntryHurst | 0.48 | エントリー許容最大値 |
| MaxMartingaleHurst | 0.70 | ナンピン許容最大値 |
緊急対応設定¶
| パラメータ | 値 | 説明 |
|---|---|---|
| UseEmergencyExit | true | 緊急対応有効 |
| EmergencyAction | ナンピン停止 | 緊急時の動作 |
| EmergencyExitHurst | 0.80 | トリガーとなるハースト値 |
| EmergencyPersistenceBars | 3 | 連続判定バー数 |
マーチンゲール設定¶
| パラメータ | 値 | 説明 |
|---|---|---|
| LotSize | 0.05 | 基本ロット(プランB) |
| MaxPositions | 4 | 最大4レベル |
| Lot_Multiplier | 1.5 | ロット倍率 |
| BasePipStep | 20.0 | 基本PIPステップ(2倍ずつ拡大) |
| Max_Basket_Loss_Percent | 100.0 | バスケットSL(残高の100%) |
動的テイクプロフィット設定¶
| パラメータ | 値 |
|---|---|
| TP_Level1_Pips | 30.0 |
| TP_Level2_Pips | 25.0 |
| TP_Level3_Pips | 20.0 |
| TP_Level4_Pips | 15.0 |
利益抜き取り設定¶
| パラメータ | 値 | 説明 |
|---|---|---|
| InitialCapital | 100,000 | 初期資金(円) |
| WithdrawUnit | 10,000 | 出金単位(円) |
エントリー・決済設定¶
| パラメータ | 値 | 説明 |
|---|---|---|
| Wait_Open_Mouth | true | 口の開きを待つ |
| Min_Spread_Pips | 3.0 | 最小口の開き(pips) |
| TakeProfit_Pips | 40.0 | 個別TP(非マーチンゲール時) |
| StopLoss_Pips | 25.0 | 個別SL(非マーチンゲール時) |
| Exit_On_Cross | true | クロスで決済 |
まとめ:「設計する」ことの大切さ¶
今回の記事では、実際にデモ口座で動いているEAの仕様を全て公開しました。
改めて整理すると、このEAの設計思想は3つの柱で成り立っています:
| 柱 | 役割 | 具体的な実装 |
|---|---|---|
| 🐊 エントリー判定 | 有利な局面だけで勝負する | アリゲーター + ハーストフィルター |
| 🔄 ポジション管理 | リスクをコントロールしながらリカバリー | 4レベルマーチンゲール + 動的TP |
| 💰 利益管理 | 壊れる前に利益を確保する | 利益抜き取りシミュレーション |
マーチンゲールEAは「設計」次第で、ギャンブルにもなるし、戦略にもなり得ると思います。
コード公開について
ソースコードはもう少し運用データを蓄積してから公開予定です。
運用結果の推移も今後のデモトレード実験記録で報告していきますので、お楽しみに!
次回以降は、このEAのデモ口座での運用成績や、別の海外FXブローカー「TitanFX」の紹介も予定しています。
実験#01 マーチンゲールEA戦略を読む 実験#02 XMTradingを選んだ理由を読む
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