【EA化#04】三角裁定トレンド判定EA — 合成通貨の歪みを狙う¶
この記事の3行まとめ
- 💱 GBPJPY = USDJPY × GBPUSD の成立条件を利用したトレンドフォローEA
- 📈 構成する2つの通貨ペアが同じ方向に動いている時にエントリー
- 🛡️ 「迷いのある相場(レンジ)」を回避 し、強いトレンドに乗る戦略
はじめに¶
この記事は、MQL移植シリーズ #06 三角裁定トレンド判定で作成したインジケータをEA(自動売買プログラム)に変換したものです。
単一の通貨ペア(GBPJPY)のチャートだけを見ていても分からない「トレンドの背景」を、構成要素である親通貨ペア(USDJPY, GBPUSD)から分析することで、より確度の高いエントリーを目指します。
ロジック概要¶
戦略:マルチシンボル・トレンドフォロー¶
GBPJPY(合成通貨)の価格変動要因である、USDJPYとGBPUSDのトレンド方向を監視します。
- USDJPY が上昇トレンド(H1/H4 MA上向き)
- かつ、GBPUSD も上昇トレンド(H1/H4 MA上向き)
- ⇒ GBPJPY には「円安」かつ「ポンド高」の強力で持続的な上昇圧力がかかる
この「大きなトレンドが一致した状態」に乗る長期順張り(Trend Following)戦略です。 短期的なノイズやラグを回避するため、H1以上の時間足を推奨します。
(※v1.05より、スキャルピング/逆張りロジックから長期トレンドフォローに変更されました)
graph TD
A[相場監視] --> B{"USDJPY判定<br>MA上向き?"}
A --> C{"GBPUSD判定<br>MA上向き?"}
B --> D{"方向の一致?"}
C --> D
D -->|両方上昇| E["GBPJPY<br>買いエントリー"]
D -->|両方下降| F["GBPJPY<br>売りエントリー"]
D -->|不一致| G["様子見<br>(レンジ判定)"] エントリー条件¶
| 売買 | 条件 |
|---|---|
| 買い (Buy) | USDJPY MA > 前足MA AND GBPUSD MA > 前足MA (Base[H1]とHTF[H4]の両方で成立) |
| 売り (Sell) | USDJPY MA < 前足MA AND GBPUSD MA < 前足MA (Base[H1]とHTF[H4]の両方で成立) |
長期トレンド戦略
v1.05からは、H1/H4を利用したゆったりとしたトレンドフォローシステムになりました。 一瞬の裁定機会(アービトラージ)ではなく、通貨間の相関が生み出す「本質的なトレンド」を狙います。
決済条件¶
トレンドフォロー型のため、トレンドが崩れたら即座に撤退...したくなりますが、一度のノイズで振るい落とされないよう、決済ロジックを改良しました。
-
ロジック決済(ドッテン):
- 単純に「条件不一致」になっただけでは決済しません。
- 「完全に逆方向のトレンド」が発生した場合のみ、ドッテン(保有ポジションを決済して逆方向にエントリー)します。
- これにより、一時的な「待ち(レンジ)」状態を耐え、トレンドの再開を待つことができます。
-
トレーリングストップ(利益確保):
- 指定したpips数(
TrailingStopPips)だけ、利益方向に逆指値を追従させます。 - 大きなトレンドが発生した際、ロジック決済を待たずに利益を確保できます。
- 指定したpips数(
-
固定バックアップ:
- TP/SLによる最低限の利益確保とリスク限定も引続き有効です。
パラメータ設定¶
| パラメータ | デフォルト | 説明 |
|---|---|---|
| パラメータ | デフォルト | 説明 |
| ----------- | ----------- | ------ |
BaseTimeFrame | H1 | ベース時間足(エントリートリガー) |
HigherTimeFrame | H4 | 上位時間足(トレンドフィルター) |
TrendMAPeriod | 20 | トレンド判定用MAの期間 |
Symbol1 | "USDJPY" | 参照通貨ペア1 |
Symbol2 | "GBPUSD" | 参照通貨ペア2 |
TakeProfitPips | 100 | 利確幅(pips)※長期用に拡大 |
StopLossPips | 50 | 損切り幅(pips)※長期用に拡大 |
TrailingStopPips | 30 | トレーリングストップ幅 (0で無効) |
バックテストの注意点¶
マルチカレンシーバックテスト
このEAは複数の通貨ペアのデータを同時に読み込みます。バックテストを行う際は、MT5の「気配値表示」でUSDJPYとGBPUSDが選択(表示)されている状態である必要があります。 また、ヒストリカルデータもすべての通貨ペアでダウンロードしておく必要があります。
検証結果¶
開発したEAをバックテストした結果がこちらです。

残念ながら内容は芳しくありませんでした。何かほかに良い方法があるかもしれませんが、とりあえず今回はこれを結果とします。
短期的な裁定(アービトラージ)を狙うには、やはりMT4/MT5の仕様上のラグやスプレッドの壁が厚く、単純なロジックでの攻略は難しいという結論に至りました。 今後は、今回の「長期トレンド順張り」アプローチなどをベースに、さらなる改良を検討していく必要がありそうです。
ソースコードのダウンロード¶
EAファイルをダウンロードして MQL5/Experts/ フォルダに配置してください。
Triangular_Arbitrage_EA.mq5 をダウンロード