用語集¶
FXおもしろラボの記事で登場する専門用語を解説します。
- プログラミング・MQL5関数
プログラミングの基礎知識や、自動売買(EA)開発に使用するMQL5関数. - 相場分析・テクニカル指標
チャート分析手法や、RSI、MACD、一目均衡表などのインジケータ解説. - 金融・トレード手法
pipsやスプレッドなどの基礎用語と、スキャルピングや裁定取引などの手法. - 検証・データ分析
バックテストの注意点や高速化手法、Tickデータなどの解説.
プログラミング・MQL5関数
【カテゴリ】MQL5関数¶
【カテゴリ】プログラミング用語¶
double型¶
カテゴリ: データ型
初出: 検証#01 double型比較
64ビットの浮動小数点数型。MQL5で価格やインジケータ値を扱う際に使用される。
注意点:
==での直接比較は避けるNormalizeDoubleまたはMathAbsで比較すべし
NormalizeDouble¶
カテゴリ: MQL関数
初出: 検証#01 double型比較
浮動小数点数を指定した桁数に丸める関数。
書式:
使用例:
// 価格を5桁に正規化
double normalized = NormalizeDouble(1.23456789, 5); // 1.23457
// 比較に使用
if(NormalizeDouble(a - b, _Digits) == 0.0)
{
// 一致とみなす
}
MathRand¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#18 乱数の品質
0〜32767の範囲で疑似乱数を生成する関数。
注意: 品質(分布の均一性)に限界があるため、高品質な乱数が必要な場合は別のアルゴリズムを検討。
XorShift¶
カテゴリ: 乱数アルゴリズム
初出: 検証#18 乱数の品質
高速かつ高品質な疑似乱数生成アルゴリズム。MathRandより良好な分布を持つ。
ulong XorShift128()
{
static ulong x = 123456789, y = 362436069, z = 521288629, w = 88675123;
ulong t = x ^ (x << 11);
x = y; y = z; z = w;
return w = (w ^ (w >> 19)) ^ (t ^ (t >> 8));
}
_Digits¶
カテゴリ: 定義済み変数
現在のチャートの通貨ペアにおける価格の小数点以下桁数。
_Point¶
カテゴリ: 定義済み変数
現在のチャートの通貨ペアにおける最小価格変動幅。
MathMod¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#08 MathModの罠
剰余(余り)を返す関数。浮動小数点誤差により予期しない結果になることがある。
iCustom¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#09 iCustomの罠
カスタムインジケータのハンドルを取得する関数。引数を省略すると未定義動作を引き起こす。
重要: すべてのパラメータを明示的に指定すること。
CopyBuffer¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#09 iCustomの罠
インジケータのバッファから値を取得する関数。MQL5ではiCustomと組み合わせて使用。
MQLInfoInteger¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#11 無限リトライ
プログラムの状態を取得する関数。MQL_TESTERでバックテスト中かどうかを判定できる。
Sleep¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#11 無限リトライ
指定ミリ秒だけプログラムを一時停止する関数。リトライ処理の待機に使用。
注意: バックテスト中は動作しない(即座に次の処理へ進む)。
TimeCurrent¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#12 時刻判定速度
サーバー時刻(最後のティック時刻)を取得する関数。
prev_calculated¶
カテゴリ: MQL5パラメータ
初出: 検証#14 インジケータ速度
OnCalculate関数のパラメータ。前回呼び出し時に計算済みのバー数を示す。 これを使って差分計算を行うことで、インジケータを高速化できる。
IndicatorCounted¶
カテゴリ: MQL4関数(廃止)
初出: 検証#14 インジケータ速度
MQL4で使われていた「計算済みバー数」を返す関数。MQL5ではprev_calculatedに置き換えられた。
iClose / iOpen / iHigh / iLow¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#15 マルチ通貨負荷
他通貨ペアの価格を取得する関数群。マルチカレンシーEAで使用。
iBarShift¶
カテゴリ: MQL4関数→MQL5自作
初出: 検証#15 マルチ通貨負荷
指定時刻に対応するバーのインデックスを取得する関数。MQL5では標準搭載されていないため、自作が必要。
ArraySetAsSeries¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: EA化#05 一目の幅EA
配列のインデックス順序を設定する関数。 true を設定すると、時系列配列(Close[] など)と同じように、0番目が最新(右端)、インデックスが増えるほど過去になる。
CopyRates¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: EA化#05 一目の幅EA
バーの履歴データ(始値、高値、安値、終値、出来高、時間)をまとめて構造体配列(MqlRates)にコピーする関数。
MqlRates rates[];
ArraySetAsSeries(rates, true);
int copied = CopyRates(_Symbol, _Period, 0, 100, rates);
ExpertRemove¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#03 EA停止
EAを自分自身でアンロードするための関数。現在の関数終了後にEAが削除される。
注意: 保有ポジションは自動クローズされない。
OnDeinit¶
カテゴリ: MQL5イベント関数
初出: 検証#03 EA停止
EA終了時に呼び出される関数。reason パラメータで終了理由を判別可能。
OnInit¶
カテゴリ: MQL5イベント関数
初出: 検証#07 高速化
プログラムの初期化時に一度だけ実行される関数。ハンドルの取得や変数の初期化を行う。
GetTickCount¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#07 高速化
システムが起動してからの経過ミリ秒数を取得する関数。処理時間の計測(ベンチマーク)に使用される。
マジックナンバー¶
カテゴリ: EA設計
各EAを識別するための一意の数値。複数のEAを同時に運用する際に、どのEAが発注したポジションかを区別するために使用。
CTrade¶
カテゴリ: MQL5クラス
MQL5標準ライブラリの取引クラス。注文発注を簡潔に記述できる。
SymbolInfoDouble¶
カテゴリ: MQL5関数
シンボル(通貨ペア)の各種情報を取得する関数。
double bid = SymbolInfoDouble(_Symbol, SYMBOL_BID);
double ask = SymbolInfoDouble(_Symbol, SYMBOL_ASK);
double point = SymbolInfoDouble(_Symbol, SYMBOL_POINT);
相場分析・テクニカル指標
一目均衡表¶
カテゴリ: テクニカル指標
初出: 移植#01 一目三役好転
一目均衡表(一目山人 考案)。5本のラインと「雲」で構成される日本生まれの指標。
構成要素:
| 名称 | 計算式 |
|---|---|
| 転換線 | (過去9本の高値 + 安値) ÷ 2 |
| 基準線 | (過去26本の高値 + 安値) ÷ 2 |
| 先行スパン1 | (転換線 + 基準線) ÷ 2 を26本先にプロット |
| 先行スパン2 | (過去52本の高値 + 安値) ÷ 2 を26本先にプロット |
| 遅行スパン | 現在の終値を26本前にプロット |
三役好転¶
カテゴリ: 売買シグナル
初出: 移植#01 一目三役好転
一目均衡表における最強の買いシグナル(三役好転)。以下の3条件がすべて揃った状態。
| # | 条件 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | 転換線 > 基準線 | 均衡表の好転 |
| 2 | 遅行スパン > 26本前の終値 | 遅行スパンの好転 |
| 3 | 終値 > 雲の上限 | 雲抜け |
三役逆転¶
カテゴリ: 売買シグナル
初出: 移植#01 一目三役好転
一目均衡表における最強の売りシグナル(三役逆転)。以下の3条件がすべて揃った状態。
| # | 条件 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | 転換線 < 基準線 | 均衡表の逆転 |
| 2 | 遅行スパン < 26本前の終値 | 遅行スパンの逆転 |
| 3 | 終値 < 雲の下限 | 雲割れ |
雲¶
カテゴリ: テクニカル指標
初出: 移植#01 一目三役好転
一目均衡表の先行スパン1と先行スパン2の間の領域(雲)。抵抗帯・支持帯として機能する。
特徴:
- 雲の上:上昇トレンド
- 雲の中:レンジ・もみ合い
- 雲の下:下降トレンド
- 雲が厚い:強い抵抗/支持
- 雲が薄い:弱い抵抗/支持
時間論(Time Theory)¶
カテゴリ: 一目均衡表理論
初出: EA化#05 一目の幅EA
一目山人が重要視した考え方(時間論)で、「価格よりも時間」が市場を支配するという理論。
基本数値(Basic Numbers)¶
カテゴリ: 一目均衡表理論
初出: EA化#05 一目の幅EA
市場のサイクルをつかむための基本的な日数(基本数値)。 9, 17, 26 を基本とし、その組み合わせである 33, 42, 51, 65, 76 などが重要視される。
対等数値(Equal Numbers)¶
カテゴリ: 一目均衡表理論
初出: EA化#05 一目の幅EA
過去の波動にかかった日数と同じ日数が、次の波動でも繰り返されるという現象(対等数値)。
変化日(Change Day)¶
カテゴリ: 一目均衡表理論
初出: EA化#05 一目の幅EA
基本数値や対等数値が到来する日(変化日)。相場のトレンドが転換したり、加速したりする可能性が高い日とされる。
RSI(相対力指数)¶
カテゴリ: オシレーター系指標
初出: 検証#02 RSI計算方式
J.W.ワイルダーが1978年に考案した指標(相対力指数)。価格の上昇・下落の相対的な強さを0〜100で表す。
計算式:
一般的な解釈:
- 70以上:買われすぎ
- 30以下:売られすぎ
SMA(単純移動平均)¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 検証#02 RSI計算方式
Simple Moving Average(単純移動平均)。指定期間の終値を単純に平均する。
計算式:
SMMA(平滑移動平均)¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 検証#02 RSI計算方式
Smoothed Moving Average(平滑移動平均)。Wilder's Smoothingとも呼ばれる。
計算式:
特徴:
- 過去のデータが徐々に影響(メモリ効果)
- SMAより滑らか
- MT4/MT5のRSI、ATR、ADXで使用
ATR(Average True Range)¶
カテゴリ: テクニカル指標(ボラティリティ)
初出: MQL移植#05 BB-Fibo
J.W.ワイルダーが開発したボラティリティ(価格変動の大きさ)を測る指標。
スイングポイント(Swing Point)¶
カテゴリ: テクニカル指標
初出: MQL移植#02 SwingPoint View
チャート上の局所的な高値(山)と安値(谷)のこと。
ADX(Average Directional Index)¶
カテゴリ: トレンド系指標
初出: 検証#04 ADX/DMI
J.W.ワイルダーが考案した、トレンドの「強さ」を測る指標。0〜100の範囲。
DMI(Directional Movement Index)¶
カテゴリ: トレンド系指標
初出: 検証#04 ADX/DMI
方向性指数。+DI(上昇)と-DI(下落)の2ラインで構成。
MACD¶
カテゴリ: トレンド系オシレーター
初出: 検証#05 MACD計算方式
Moving Average Convergence Divergence。ジェラルド・アペルが開発。
EMA(指数移動平均)¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 検証#05 MACD計算方式
Exponential Moving Average(指数移動平均)。直近のデータに重みを置く移動平均。
計算式:
ハースト指数 (Hurst Exponent)¶
カテゴリ: 分析手法
初出: 検証#01 ハースト指数
カオス理論に基づいて、相場の時系列データがトレンドかレンジかを数値化(指数)する指標。
隠れマルコフモデル (HMM)¶
カテゴリ: 分析手法
初出: 検証#03 隠れマルコフモデル
価格の裏側に「目に見えない状態」が存在すると仮定し、確率的に推定するモデル。
ローレンツ分類 (Lorentzian Classification)¶
カテゴリ: 分析手法
初出: 検証#02 Lorentzian Classification
機械学習を用いて、現在の相場と類似した過去のパターン(分類)を探し出す手法。
ローレンツ距離 (Lorentzian Distance)¶
カテゴリ: 数学・アルゴリズム
初出: 検証#02 Lorentzian Classification
データ間の類似性を測るための距離の一種。外れ値に強い。
k-近傍法 (k-NN)¶
カテゴリ: 機械学習
初出: 検証#02 Lorentzian Classification
類似した過去データを取得し予測を行うアルゴリズム(近傍法)。
Ku-Chart¶
カテゴリ: インジケータ / 分析手法
初出: 検証#16 Ku-Chart再現
FAI氏が開発・公開した「通貨強弱チャート」。
スパイク (Spike)¶
カテゴリ: プライスアクション
初出: EA化#02 TickスパイクEA
短時間での価格急騰・急落。
金融・トレード手法
要塞化メソッド¶
カテゴリ: トレード手法・資金管理
初出: 要塞化メソッド
利益の一部を現物資産に変換する資産防衛術。
三角裁定(Triangular Arbitrage)¶
カテゴリ: アービトラージ
初出: 移植#06 三角裁定
3つの通貨ペア間の価格整合性を利用した取引手法(裁定)。
合成通貨¶
カテゴリ: アービトラージ
初出: 移植#06 三角裁定
複数の通貨ペアを組み合わせて作られる理論上の通貨(合成通貨)。
マルチタイムフレーム(MTF)¶
カテゴリ: 分析手法
初出: EA化#04 三角裁定EA
複数の時間足を同時に監視する手法。
トレンド相場 / レンジ相場¶
カテゴリ: 相場環境
初出: コラム トレンドvsレンジ
酒田五法¶
カテゴリ: テクニカル分析
初出: コラム トレンドvsレンジ
平均回帰 (Mean Reversion)¶
カテゴリ: トレード手法
内容: 価格が平均値に戻る性質を利用した手法。逆張りの基本理念。
逆張り (Contrarian)¶
カテゴリ: トレード手法
内容: トレンドに逆らってエントリーする手法。
スキャルピング (Scalping)¶
カテゴリ: トレード手法
内容: 超短期売買手法。
検証・データ分析
バックテスト (Backtest)¶
カテゴリ: 検証・データ分析
初出: 検証#06 BT詐欺
過去データによるルールの検証。
フォワードテスト (Forward Test)¶
カテゴリ: 検証・データ分析
内容: リアルタイム相場での検証。
リペイント (Repaint)¶
カテゴリ: テクニカル指標の問題
初出: 検証#13 リペイントの罠
過去の表示が書き換わる現象。
ランダムウォーク¶
カテゴリ: 金融理論
初出: 検証#17 ランダムウォーク
価格変動が予測不可能であるという仮説。
カーブフィッティング¶
カテゴリ: バックテストの問題
初出: 検証#17 ランダムウォーク
過剰な最適化により将来機能しなくなる現象。
IEEE 754¶
カテゴリ: 規格・標準
初出: 検証#01 double型比較
浮動小数点数の表現規格。
Tick(ティック)¶
カテゴリ: 相場・データ
初出: 移植#04 TickチャートMA
市場で発生した最小単位の価格変動。
用語は随時追加されます。