用語集¶
FXおもしろラボの記事で登場する専門用語を解説します。
- プログラミング・MQL5関数
プログラミングの基礎知識や、自動売買(EA)開発に使用するMQL5関数. - 相場分析・テクニカル指標
チャート分析手法や、RSI、MACD、一目均衡表などのインジケータ解説. - 金融・トレード手法
pipsやスプレッドなどの基礎用語と、スキャルピングや裁定取引などの手法. - 検証・データ分析
バックテストの注意点や高速化手法、Tickデータなどの解説.
プログラミング・MQL5関数
スモークテスト¶
カテゴリ: プログラミング・検証
初出: コラム MT5×Python #3
プログラムや仕組みが「最低限そこまで動くか」を手早く確認するテスト。厳密な本番検証というより、配線が通るかを見る意味合いが強い。
オーケストレーション¶
カテゴリ: プログラミング・運用
初出: コラム MT5×Python #8
複数のプログラム・プロセス・設定を手順どおりに組み合わせて動かすこと。MT5 の起動、設定ファイルの読み込み、結果の集計などを一連の流れにまとめる作業を指すことが多い。
仮想環境(venv)¶
カテゴリ: Python
初出: コラム MT5×Python #1
プロジェクトごとに Python ライブラリの入れ場所を分ける仕組み。python -m venv .venv で作成し、依存関係の衝突を避ける。
double型¶
カテゴリ: データ型
初出: 検証#01 double型比較
64ビットの浮動小数点数型。MQL5で価格やインジケータ値を扱う際に使用される。
注意点:
==での直接比較は避けるNormalizeDoubleまたはMathAbsで比較すべし
NormalizeDouble¶
カテゴリ: MQL関数
初出: 検証#01 double型比較
浮動小数点数を指定した桁数に丸める関数。
書式:
使用例:
// 価格を5桁に正規化
double normalized = NormalizeDouble(1.23456789, 5); // 1.23457
// 比較に使用
if(NormalizeDouble(a - b, _Digits) == 0.0)
{
// 一致とみなす
}
MathRand¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#18 乱数の品質
0〜32767の範囲で疑似乱数を生成する関数。
注意: 品質(分布の均一性)に限界があるため、高品質な乱数が必要な場合は別のアルゴリズムを検討。
XorShift¶
カテゴリ: 乱数アルゴリズム
初出: 検証#18 乱数の品質
高速かつ高品質な疑似乱数生成アルゴリズム。MathRandより良好な分布を持つ。
ulong XorShift128()
{
static ulong x = 123456789, y = 362436069, z = 521288629, w = 88675123;
ulong t = x ^ (x << 11);
x = y; y = z; z = w;
return w = (w ^ (w >> 19)) ^ (t ^ (t >> 8));
}
_Digits¶
カテゴリ: 定義済み変数
現在のチャートの通貨ペアにおける価格の小数点以下桁数。
_Point¶
カテゴリ: 定義済み変数
現在のチャートの通貨ペアにおける最小価格変動幅。
MathMod¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#08 MathModの罠
剰余(余り)を返す関数。浮動小数点誤差により予期しない結果になることがある。
iCustom¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#09 iCustomの罠
カスタムインジケータのハンドルを取得する関数。引数を省略すると未定義動作を引き起こす。
重要: すべてのパラメータを明示的に指定すること。
CopyBuffer¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#09 iCustomの罠
インジケータのバッファから値を取得する関数。MQL5ではiCustomと組み合わせて使用。
MQLInfoInteger¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#11 無限リトライ
プログラムの状態を取得する関数。MQL_TESTERでバックテスト中かどうかを判定できる。
Sleep¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#11 無限リトライ
指定ミリ秒だけプログラムを一時停止する関数。リトライ処理の待機に使用。
注意: バックテスト中は動作しない(即座に次の処理へ進む)。
TimeCurrent¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#12 時刻判定速度
サーバー時刻(最後のティック時刻)を取得する関数。
prev_calculated¶
カテゴリ: MQL5パラメータ
初出: 検証#14 インジケータ速度
OnCalculate関数のパラメータ。前回呼び出し時に計算済みのバー数を示す。 これを使って差分計算を行うことで、インジケータを高速化できる。
IndicatorCounted¶
カテゴリ: MQL4関数(廃止)
初出: 検証#14 インジケータ速度
MQL4で使われていた「計算済みバー数」を返す関数。MQL5ではprev_calculatedに置き換えられた。
iClose / iOpen / iHigh / iLow¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#15 マルチ通貨負荷
他通貨ペアの価格を取得する関数群。マルチカレンシーEAで使用。
iBarShift¶
カテゴリ: MQL4関数→MQL5自作
初出: 検証#15 マルチ通貨負荷
指定時刻に対応するバーのインデックスを取得する関数。MQL5では標準搭載されていないため、自作が必要。
ArraySetAsSeries¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: EA化#05 一目の幅EA
配列のインデックス順序を設定する関数。 true を設定すると、時系列配列(Close[] など)と同じように、0番目が最新(右端)、インデックスが増えるほど過去になる。
CopyRates¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: EA化#05 一目の幅EA
バーの履歴データ(始値、高値、安値、終値、出来高、時間)をまとめて構造体配列(MqlRates)にコピーする関数。
MqlRates rates[];
ArraySetAsSeries(rates, true);
int copied = CopyRates(_Symbol, _Period, 0, 100, rates);
ExpertRemove¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#03 EA停止
EAを自分自身でアンロードするための関数。現在の関数終了後にEAが削除される。
注意: 保有ポジションは自動クローズされない。
OnDeinit¶
カテゴリ: MQL5イベント関数
初出: 検証#03 EA停止
EA終了時に呼び出される関数。reason パラメータで終了理由を判別可能。
OnInit¶
カテゴリ: MQL5イベント関数
初出: 検証#07 高速化
プログラムの初期化時に一度だけ実行される関数。ハンドルの取得や変数の初期化を行う。
GetTickCount¶
カテゴリ: MQL5関数
初出: 検証#07 高速化
システムが起動してからの経過ミリ秒数を取得する関数。処理時間の計測(ベンチマーク)に使用される。
マジックナンバー¶
カテゴリ: EA設計
各EAを識別するための一意の数値。複数のEAを同時に運用する際に、どのEAが発注したポジションかを区別するために使用。
CTrade¶
カテゴリ: MQL5クラス
MQL5標準ライブラリの取引クラス。注文発注を簡潔に記述できる。
SymbolInfoDouble¶
カテゴリ: MQL5関数
シンボル(通貨ペア)の各種情報を取得する関数。
double bid = SymbolInfoDouble(_Symbol, SYMBOL_BID);
double ask = SymbolInfoDouble(_Symbol, SYMBOL_ASK);
double point = SymbolInfoDouble(_Symbol, SYMBOL_POINT);
ArrayResize¶
カテゴリ: MQL5関数 初出: 検証#07 高速化
動的配列のサイズを変更する関数。配列の要素数を増減させるときに使用する。
書式:
int ArrayResize(
void& array[], // サイズ変更する配列
int new_size, // 新しいサイズ
int reserve_size = 0 // 予約サイズ(オプション)
);
使用例:
double buffer[];
ArrayResize(buffer, 1000); // 1000要素に確保
ArrayResize(buffer, 2000, 500); // 2000要素に変更、予備500要素
注意点: - 頻繁なリサイズはパフォーマンス低下の原因となる。可能であれば事前に十分なサイズを確保する。 - 予約サイズを指定すると、次回のリサイズ時にメモリ再割り当てを減らせる。 - 配列が時系列配列(ArraySetAsSeries適用済み)の場合もインデックス順序は維持される。
相場分析・テクニカル指標
一目均衡表¶
カテゴリ: テクニカル指標
初出: 移植#01 一目三役好転
一目均衡表(一目山人 考案)。5本のラインと「雲」で構成される日本生まれの指標。
構成要素:
| 名称 | 計算式 |
|---|---|
| 転換線 | (過去9本の高値 + 安値) ÷ 2 |
| 基準線 | (過去26本の高値 + 安値) ÷ 2 |
| 先行スパン1 | (転換線 + 基準線) ÷ 2 を26本先にプロット |
| 先行スパン2 | (過去52本の高値 + 安値) ÷ 2 を26本先にプロット |
| 遅行スパン | 現在の終値を26本前にプロット |
三役好転¶
カテゴリ: 売買シグナル
初出: 移植#01 一目三役好転
一目均衡表における最強の買いシグナル(三役好転)。以下の3条件がすべて揃った状態。
| # | 条件 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | 転換線 > 基準線 | 均衡表の好転 |
| 2 | 遅行スパン > 26本前の終値 | 遅行スパンの好転 |
| 3 | 終値 > 雲の上限 | 雲抜け |
三役逆転¶
カテゴリ: 売買シグナル
初出: 移植#01 一目三役好転
一目均衡表における最強の売りシグナル(三役逆転)。以下の3条件がすべて揃った状態。
| # | 条件 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | 転換線 < 基準線 | 均衡表の逆転 |
| 2 | 遅行スパン < 26本前の終値 | 遅行スパンの逆転 |
| 3 | 終値 < 雲の下限 | 雲割れ |
雲¶
カテゴリ: テクニカル指標
初出: 移植#01 一目三役好転
一目均衡表の先行スパン1と先行スパン2の間の領域(雲)。抵抗帯・支持帯として機能する。
特徴:
- 雲の上:上昇トレンド
- 雲の中:レンジ・もみ合い
- 雲の下:下降トレンド
- 雲が厚い:強い抵抗/支持
- 雲が薄い:弱い抵抗/支持
時間論(Time Theory)¶
カテゴリ: 一目均衡表理論
初出: EA化#05 一目の幅EA
一目山人が重要視した考え方(時間論)で、「価格よりも時間」が市場を支配するという理論。
基本数値(Basic Numbers)¶
カテゴリ: 一目均衡表理論
初出: EA化#05 一目の幅EA
市場のサイクルをつかむための基本的な日数(基本数値)。 9, 17, 26 を基本とし、その組み合わせである 33, 42, 51, 65, 76 などが重要視される。
対等数値(Equal Numbers)¶
カテゴリ: 一目均衡表理論
初出: EA化#05 一目の幅EA
過去の波動にかかった日数と同じ日数が、次の波動でも繰り返されるという現象(対等数値)。
変化日(Change Day)¶
カテゴリ: 一目均衡表理論
初出: EA化#05 一目の幅EA
基本数値や対等数値が到来する日(変化日)。相場のトレンドが転換したり、加速したりする可能性が高い日とされる。
RSI(相対力指数)¶
カテゴリ: オシレーター系指標
初出: 検証#02 RSI計算方式
J.W.ワイルダーが1978年に考案した指標(相対力指数)。価格の上昇・下落の相対的な強さを0〜100で表す。
計算式:
一般的な解釈:
- 70以上:買われすぎ
- 30以下:売られすぎ
移動平均(概要・AllAverages 収録一覧)¶
カテゴリ: 移動平均
関連記事: 移植#10 AllAverages v2.5 · EA化#07 AllAverages クロス EA
移動平均は価格系列を平滑化し、トレンドや支持・抵抗の目安に使う基本指標です。反応の速さ(ラグ)とノイズ除去(滑らかさ)はトレードオフで、目的に応じてアルゴリズムを選びます。
MT5 標準の iMA は SMA / EMA / SMMA / LWMA の4種。本サイトの AllAverages v2.5 では、インジケータ入力 MA Method で 番号 0〜20(MQL5 の ENUM_MA_METHOD_ALL に対応)の 21種を1本で切り替え可能です(実装は 10_AllAverages_v2_5.mq5)。
| # | 略称 | 用語集 |
|---|---|---|
| 0 | SMA | SMA(単純移動平均) |
| 1 | EMA | EMA(指数移動平均) |
| 2 | Wilder | Wilder 移動平均 |
| 3 | LWMA | LWMA(線形加重移動平均) |
| 4 | SineWMA | SineWMA |
| 5 | TriMA | TriMA(三角移動平均) |
| 6 | LSMA | LSMA / EPMA |
| 7 | SMMA | SMMA(平滑移動平均) |
| 8 | HMA | HMA(ハル移動平均) |
| 9 | ZeroLagEMA | Zero-Lag EMA |
| 10 | DEMA | DEMA |
| 11 | T3 | T3(Tillson) |
| 12 | ITrend | ITrend(瞬時トレンドライン) |
| 13 | Median | 移動中央値 |
| 14 | GeoMean | 幾何平均(移動) |
| 15 | REMA | REMA |
| 16 | ILRS | ILRS |
| 17 | IE/2 | IE/2 |
| 18 | TriMAgen | TriMAgen |
| 19 | VWMA | VWMA |
| 20 | JSmooth | JSmooth |
SMA(単純移動平均)¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 検証#02 RSI計算方式
MA Method: 番号 0(移植#10)
Simple Moving Average(単純移動平均)。窓内の価格を等重みで平均する。
計算式(価格を P、期間を N とする):
EMA(指数移動平均)¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 検証#05 MACD計算方式
MA Method: 番号 1
Exponential Moving Average(指数移動平均)。直近の価格に大きな重みを与える。平滑係数は \(k = 2/(N+1)\)。
計算式:
初回値は多くの実装で最初の \(N\) 本の単純平均で初期化する(本サイトで取り上げた AllAverages 系の解説でも同様)。
関連: Wilder 移動平均(係数 \(1/N\))、SMMA(再帰形は別定義)。
Wilder 移動平均¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 2
Wilder の指数平滑。RSI や ATR で使われる平滑と同型で、係数 \(\alpha = 1/N\) の指数移動平均(EMA の \(k=2/(N+1)\) とは異なる)。
計算式:
関連: EMA、SMMA(SMMA の漸化式は \(\alpha=1/N\) と同じ形だが、MT5 の SMMA 初期化は最初に SMA で始める)。
LWMA(線形加重移動平均)¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 3
Linear Weighted Moving Average。直近のバーほど重みが大きい加重平均。MT5 の MODE_LWMA と同系。
計算式(本実装は最新バーに重み \(N\)、最古に \(1\)):
関連: HMA は LWMA(WMA)を組み合わせて構成する。
SineWMA¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 4
Sine Weighted Moving Average。重みをサイン関数で定義し、正規化してから加重和をとる。本実装では \(i=1\ldots N\) に対し
を正規化して各バーの価格に割り当てる(OnInit で事前計算)。
TriMA(三角移動平均)¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 5
Triangular Moving Average。一般的には移動平均の移動平均(二重平滑)として説明されることが多いが、本実装は窓内に三角型の重み
を用いた加重平均(j = 0 が最新バー)。
LSMA / EPMA(最小二乗・回帰終点)¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 6
Least Square Moving Average。窓内で価格を時刻に対して線形回帰し、現在バー位置(回帰直線の「今」)の値をプロットする。Endpoint Moving Average(EPMA)とも呼ばれる。
定義(傾き \(a\)、切片 \(b\)):
本実装では j = 0 … N-1 とし、切片 b がその時点の LSMA(回帰直線の水準)になる。
SMMA(平滑移動平均)¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 検証#02 RSI計算方式
MA Method: 番号 7
Smoothed Moving Average(平滑移動平均)。Wilder's Smoothing とも呼ばれる。
計算式:
初回は多くの実装で最初の \(N\) 本の単純平均で初期化する。
特徴:
- 過去のデータが徐々に影響(メモリ効果)
- SMA より滑らか
- MT4/MT5 の RSI、ATR、ADX で使用
HMA(ハル移動平均)¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 8
Hull Moving Average(Alan Hull)。LWMA(WMA) を組み合わせ、ラグを抑えつつ滑らかさを狙う。
標準的な定義(期間 \(N\)、\(\lfloor N/2 \rfloor\) を半期間、\(\lfloor\sqrt{N}\rfloor\) を最終 WMA 期間とする):
本実装も上記の構造で BufferTemp1 に Raw を格納し、続く WMA で HMA を算出する。
Zero-Lag EMA¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 9
遅延を抑えるため、ラグ補正した系列 Z に EMA(平滑係数 \(k = 2/(N+1)\))を適用する考え方。実装では下式の Z を EMA 再帰に渡す。
注意: 文献・実装により定義は異なる。再現性はソースに合わせること。
DEMA¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 10
Double Exponential Moving Average(Patrick Mulloy)。単一 EMA より反応が速いことが多い。
定義: 価格に対する EMA を E1、その出力に対する EMA を E2 とする(いずれも平滑係数 \(k = 2/(N+1)\))。
T3(Tillson)¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 11
T3 by T. Tillson。価格に対し Volume factor(パラメータ inpT3VolumeFactor、既定 0.7 前後)を a とした 6 段の EMA を経て、Tillson の定義に従う係数を組み合わせた多段平滑。滑らかさと遅延のバランスを a で調整する。
注意: 係数は Tillson の定義に従い、実装と数値を一致させること。
ITrend(瞬時トレンドライン)¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 12
J. Ehlers 系の「瞬時トレンドライン」。価格の 4 点スムージングと、平滑係数 \(k = 2/(N+1)\)(実装では α と同じ意味)を用いた再帰で、過去の出力をフィードバックする形で計算する(十分な履歴が必要)。
移動中央値(Median)¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 13
Moving Median。窓内の価格をソートし中央値をとる。スパイク(極端なヒゲ)に強い。
幾何平均(移動)¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 14
Geometric Mean。正の価格に対し
注意: 価格に 0 以下が含まれると乗算が破綻するため、本実装ではフォールバックとして前値を使用する。
REMA(Regularized EMA)¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 15
正則化項を入れた EMA 系(Chris Satchwell)。\(\alpha = 2/(N+1)\)、\(\lambda\) を inpREMALambda(既定 0.5 等)とすると、本実装は概ね
の形で安定化を図る(十分な本数が揃うまで単純に価格を返す)。
ILRS¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 16
Integral of Linear Regression Slope。線形回帰の傾き \(a\) と切片 \(b\) から、1 本先の回帰値 \(b + a\) を出力する(本実装は intercept + slope)。
関連: LSMA は切片 \(b\)(現在位置)、IE/2 は両者の平均。
IE/2¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 17
LSMA と ILRS の中点。
(同一窓・同一回帰係数から計算。)
TriMAgen¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 18
Triangular MA の一般化(Ehlers)。本実装は、まず下式の 1 段目の窓長で SMA をとり、続けて 2 段目の窓長で再度 SMA(二重平滑)をとる構造。
VWMA¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 19
Volume Weighted Moving Average。
本実装の \(V\) は Tick Volume。実取引量(Real Volume)とは異なる場合がある。
JSmooth¶
カテゴリ: 移動平均
初出: 移植#10 AllAverages v2.5
MA Method: 番号 20
Mark Jurik の平滑化のオープンソース近似。指数減衰と位相 Phase(-100〜+100、inpJurikPhase)による係数調整を含む。公式 Jurik は非公開のため、数値は他環境の「Jurik」と一致しない場合がある。
ATR(Average True Range)¶
カテゴリ: テクニカル指標(ボラティリティ)
初出: MQL移植#05 BB-Fibo
J.W.ワイルダーが開発したボラティリティ(価格変動の大きさ)を測る指標。
スイングポイント(Swing Point)¶
カテゴリ: テクニカル指標
初出: MQL移植#02 SwingPoint View
チャート上の局所的な高値(山)と安値(谷)のこと。
サポート・レジスタンス(Support / Resistance)¶
カテゴリ: テクニカル指標
初出: MQL移植#02 SwingPoint View
価格が反発しやすい水準のこと。サポート(支持線)は下値が支えられる水準、レジスタンス(抵抗線)は上値が抑えられる水準を指す。直近のスイングポイントや高値・安値、移動平均線、ラウンドナンバー(キリの良い数値)などが目安として使われる。
サイクル分析(Cycle Analysis)¶
カテゴリ: テクニカル指標
初出: MQL移植#03 JPN_Time_SubZero
相場の動きを「周期性」で捉える分析手法の総称。代表例は一目均衡表の時間論(9・17・26 などの基本数値で転換日を予測)。フーリエ解析やスペクトル解析を用いる定量的なアプローチもある。
フィボナッチ(Fibonacci Retracement / Extension)¶
カテゴリ: テクニカル指標
初出: MQL移植#05 BB-Fibo
直近の高値と安値の値幅に対して、23.6% / 38.2% / 50% / 61.8% / 78.6% といった「フィボナッチ比率」のラインを引き、押し目買い・戻り売りや利確目標の目安とする手法。リトレースメントは値幅の内側、エクステンションは値幅の外側に引く。比率は黄金比(φ ≒ 1.618)に由来する。
ADX(Average Directional Index)¶
カテゴリ: トレンド系指標
初出: 検証#04 ADX/DMI
J.W.ワイルダーが考案した、トレンドの「強さ」を測る指標。0〜100の範囲。
DMI(Directional Movement Index)¶
カテゴリ: トレンド系指標
初出: 検証#04 ADX/DMI
方向性指数。+DI(上昇)と-DI(下落)の2ラインで構成。
MACD¶
カテゴリ: トレンド系オシレーター
初出: 検証#05 MACD計算方式
Moving Average Convergence Divergence。ジェラルド・アペルが開発。
ハースト指数 (Hurst Exponent)¶
カテゴリ: 分析手法 初出: 検証#01 ハースト指数
カオス理論に基づいて、相場の時系列データがトレンドかレンジかを数値化(指数)する指標。
DMTS (Dynamic Magnet Trend System)¶
カテゴリ: 分析手法 初出: 検証#05 DMTSロジック
Dynamic Magnet Trend System(動的磁力線トレンドシステム)の略称。市場の「磁力線」(意識される価格帯)を数学的・統計的アプローチで動的に算出し、相場の状態に応じて逆張りから順張りへ戦略を切り替えるハイブリッド型システム。
主な構成要素: - Anchored VWAP: 特定の起点から現在までの出来高加重平均価格。大口の平均取得価格(原価)を表す。 - Math Equilibrium: ガウス回帰、確率微分方程式(Ornstein‑Uhlenbeck過程)、フラクタル理論のいずれかを用いて計算される均衡価格。 - Hurst Exponent: 市場がトレンド相場かレンジ相場かを判定するハースト指数。 - Dynamic Threshold: 磁力線からの乖離に基づく動的な閾値。
動作モード: - 回帰モード: 価格が磁力線から乖離した場合、平均回帰を期待して逆張り。 - トレンドモード: 価格が磁力線に沿って動く場合、トレンドフォローとして順張り。
隠れマルコフモデル (HMM)¶
カテゴリ: 分析手法
初出: 検証#03 隠れマルコフモデル
価格の裏側に「目に見えない状態」が存在すると仮定し、確率的に推定するモデル。
ローレンツ分類 (Lorentzian Classification)¶
カテゴリ: 分析手法
初出: 検証#02 Lorentzian Classification
機械学習を用いて、現在の相場と類似した過去のパターン(分類)を探し出す手法。
ローレンツ距離 (Lorentzian Distance)¶
カテゴリ: 数学・アルゴリズム
初出: 検証#02 Lorentzian Classification
データ間の類似性を測るための距離の一種。外れ値に強い。
k-近傍法 (k-NN)¶
カテゴリ: 機械学習
初出: 検証#02 Lorentzian Classification
類似した過去データを取得し予測を行うアルゴリズム(近傍法)。
Ku-Chart¶
カテゴリ: インジケータ / 分析手法
初出: 検証#16 Ku-Chart再現
FAI氏が開発・公開した「通貨強弱チャート」。
スパイク (Spike)¶
カテゴリ: プライスアクション
初出: EA化#02 TickスパイクEA
短時間での価格急騰・急落。
金融・トレード手法
要塞化メソッド¶
カテゴリ: トレード手法・資金管理
初出: 要塞化メソッド
利益の一部を現物資産に変換する資産防衛術。
三角裁定(Triangular Arbitrage)¶
カテゴリ: アービトラージ
初出: 移植#06 三角裁定
3つの通貨ペア間の価格整合性を利用した取引手法(裁定)。
合成通貨¶
カテゴリ: アービトラージ
初出: 移植#06 三角裁定
複数の通貨ペアを組み合わせて作られる理論上の通貨(合成通貨)。
マルチタイムフレーム(MTF)¶
カテゴリ: 分析手法
初出: EA化#04 三角裁定EA
複数の時間足を同時に監視する手法。
トレンド相場 / レンジ相場¶
カテゴリ: 相場環境
初出: コラム トレンドvsレンジ
酒田五法¶
カテゴリ: テクニカル分析
初出: コラム トレンドvsレンジ
平均回帰 (Mean Reversion)¶
カテゴリ: トレード手法
内容: 価格が平均値に戻る性質を利用した手法。逆張りの基本理念。
逆張り (Contrarian)¶
カテゴリ: トレード手法 内容: トレンドに逆らってエントリーする手法。
pips(ピップス)¶
カテゴリ: 金融基礎用語 内容: 為替レートの最小価格変動単位。通貨ペアの小数点以下の桁数によって値が異なる。
例: - USD/JPY: 0.001(小数点以下3桁) → 1 pip = 0.001 - EUR/USD: 0.00001(小数点以下5桁) → 1 pip = 0.00001
計算: 1 pip = _Point * 10(5桁通貨の場合)または 1 pip = _Point * 100(3桁通貨の場合) MQL5では SymbolInfoInteger(_Symbol, SYMBOL_DIGITS) で桁数を取得し、pip値を算出できる。
スプレッド (Spread)¶
カテゴリ: 金融基礎用語 内容: 売値(Ask)と買値(Bid)の差。ブローカーが取る手数料の一種。
特徴: - 狭いスプレッドは取引コストが低い。 - 市場の流動性が低い時間帯(週末、経済指標発表前後)はスプレッドが拡大する。 - スキャルピングや短期取引ではスプレッドの影響が大きい。
ボラティリティ (Volatility)¶
カテゴリ: 金融基礎用語 内容: 価格変動の大きさ(激しさ)を示す指標。ATR(Average True Range)や標準偏差で測定される。
利用例: - ボラティリティが高い → ストップロスを広めに設定。 - ボラティリティが低い → レンジ相場を想定。
レバレッジ (Leverage)¶
カテゴリ: 金融基礎用語 内容: 証拠金に対する取引規模の倍率。少ない資金で大きなポジションを取れるが、リスクも比例して増大する。
例: レバレッジ100倍の場合、1,000ドルの証拠金で10万ドル(1ロット)の取引が可能。
注意: レバレッジが高いほど、わずかな価格変動でも証拠金に対する損益の割合が大きくなる(ハイリスク・ハイリターン)。
ロット (Lot)¶
カテゴリ: 金融基礎用語 内容: 取引数量の単位。FXでは標準ロット(100,000通貨単位)、ミニロット(10,000)、マイクロロット(1,000)などがある。
MQL5での扱い:
double lot = 0.01; // マイクロロット(1,000通貨)
double lot = 0.1; // ミニロット(10,000通貨)
double lot = 1.0; // 標準ロット(100,000通貨)
スリッページ (Slippage)¶
カテゴリ: 金融基礎用語 内容: 注文価格と実際の約定価格の差。市場の流動性不足や急激な価格変動時に発生しやすい。
影響: - スリッページが大きいと、想定より不利な価格で約定する。 - ストップロス注文ではスリッページにより損失が拡大する可能性がある。
エントリー / イグジット (Entry / Exit)¶
カテゴリ: トレード手法 内容: ポジションの開始(エントリー)と終了(イグジット)を指す。
エントリー例: - ブレイクアウト: 抵抗線を上抜けたら買い - プルバック: トレンドの押し目で買い
イグジット例: - テイクプロフィット: 利益確定 - ストップロス: 損切り
ストップロス / テイクプロフィット (Stop Loss / Take Profit)¶
カテゴリ: トレード手法 内容: リスク管理のための注文種別。
ストップロス (SL): 損失を限定するための逆指値注文。価格が指定レベルに達すると自動的に決済される。
テイクプロフィット (TP): 利益を確定するための指値注文。価格が指定レベルに達すると自動的に利益確定される。
MQL5での設定例:
trade.Sell(0.01, _Symbol, Bid, Bid + 100 * _Point, Bid - 50 * _Point, "SL=50, TP=100");
// 売りエントリー、ストップロスは+100pips(高値側)、テイクプロフィットは-50pips(安値側)
スキャルピング (Scalping)¶
カテゴリ: トレード手法 内容: 超短期売買手法。
検証・データ分析
バックテスト (Backtest)¶
カテゴリ: 検証・データ分析
初出: 検証#06 BT詐欺
過去データによるルールの検証。
フォワードテスト (Forward Test)¶
カテゴリ: 検証・データ分析
内容: リアルタイム相場での検証。
リペイント (Repaint)¶
カテゴリ: テクニカル指標の問題
初出: 検証#13 リペイントの罠
過去の表示が書き換わる現象。
ランダムウォーク¶
カテゴリ: 金融理論
初出: 検証#17 ランダムウォーク
価格変動が予測不可能であるという仮説。
カーブフィッティング¶
カテゴリ: バックテストの問題
初出: 検証#17 ランダムウォーク
過剰な最適化により将来機能しなくなる現象。
IEEE 754¶
カテゴリ: 規格・標準
初出: 検証#01 double型比較
浮動小数点数の表現規格。
Tick(ティック)¶
カテゴリ: 相場・データ 初出: 移植#04 TickチャートMA
市場で発生した最小単位の価格変動。
ドローダウン / 最大ドローダウン (Drawdown / Maximum Drawdown)¶
カテゴリ: 検証・データ分析 内容: 資産曲線のピークから直後の谷までの減少幅。最大ドローダウンは期間中の最大の減少幅を示し、システムのリスクを測る重要な指標。
計算例:
解釈: - ドローダウンが小さい → 資産の変動が少なく安定。 - 最大ドローダウンが大きい → 大きな損失を被る可能性が高い。
シャープレシオ (Sharpe Ratio)¶
カテゴリ: 検証・データ分析 内容: リスク調整後リターンを測る指標。無リスク金利を上回る超過リターンをその変動(リスク)で割った値。
計算式:
解釈: - シャープレシオが高い → 同じリスクでより高いリターンを得ている。 - 一般的に1.0以上が良好、2.0以上が優秀とされる。
勝率 (Win Rate)¶
カテゴリ: 検証・データ分析 内容: 総取引数の中で利益が出た取引の割合。
計算式:
解釈: - 勝率が高いだけでは必ずしも利益が出るわけではない(利益率やリスクリワード比も重要)。 - スキャルピングでは勝率が高くても、1回の損失が大きいとマイナスになる場合がある。
プロフィットファクター (Profit Factor)¶
カテゴリ: 検証・データ分析 内容: 総利益を総損失で割った値。1より大きければ利益が出ていることを示す。
計算式:
解釈: - 1.0以下: 損失超過(システムがマイナス)。 - 1.0〜1.5: ギリギリ利益。 - 1.5以上: 良好。 - 2.0以上: 優秀。
エクイティカーブ (Equity Curve)¶
カテゴリ: 検証・データ分析 内容: 時間経過に伴う資産(エクイティ)の推移をグラフ化したもの。システムの安定性やドローダウンの視覚的評価に使用。
特徴: - 滑らかに右上がり → 安定したシステム。 - 激しい上下動 → ボラティリティが高い。 - 長期的な下降トレンド → システムが機能していない可能性。
オーバーフィッティング (Overfitting)¶
カテゴリ: 検証・データ分析 内容: 過去データに過剰に適合させたため、将来のデータでは性能が低下する現象。カーブフィッティングと同義。
原因: - 過剰なパラメータ最適化。 - ノイズをシグナルと誤認。
対策: - サンプル外テスト(Out‑of‑Sample Test)の実施。 - パラメータ数を制限。 - 交差検証(Cross‑Validation)の採用。
用語は随時追加されます。