【移植#67】QQEを同じ物差しで重ねる — 50中央の高速・低速2ライン¶

この記事の3行まとめ
- 2つのQQEを別々に重ねると、オートスケールの違いで振幅を正しく比較できない
- RSI平滑線を1つのサブウィンドウへまとめ、0〜100固定軸の中央を50にする
- 高速・低速の2バッファを各1,000本取得し、元RSIからの独立計算と全点一致してから撮影する
原典の課題は「中心」だけでなく「同じ物差し」¶
2010年3月13日の原典では、QQEの50ラインをサブウィンドウ中央へ置く方法が扱われています。上下限を対称にすれば50は中央に見えますが、平滑期間の異なるQQEを別々のインジケーターとして重ねると、それぞれが別の範囲で自動拡大されます。中心線はそろっても、線の振れ幅は同じ尺度では比較できません。
そこで今回は、2つの設定を一つのインジケーターで計算し、同じサブウィンドウと固定軸へ描きます。水色が高速線、金色が低速線です。
0〜100固定なら50が中央になる¶
元になる値は、終値から計算した14期間RSIです。そのRSIを5期間と50期間の単純平均で平滑化します。
RSIは理論上0〜100に収まるため、この固定範囲なら両ラインの高さと振れ幅を同じ物差しで読めます。高速線は値動きへ素早く反応し、低速線は細かな揺れをならして大きな偏りを示します。30・50・70の補助線も同じ軸に置きました。
MQL5では、indicator_minimumとindicator_maximumでカスタムインジケーターの縦軸範囲を指定できます。今回のコードはプロパティに加え、初期化時にもIndicatorSetDouble()で0と100を明示しています。
#58との違い¶
移植#58は、1本のRSI平滑線と50ラインのクロスを確認する最小実装でした。今回はクロス通知ではなく、平滑速度の異なる2本を同一尺度で比較することが目的です。
ただし、今回もQQEの名称だけから仕様を決めつけてはいません。実装しているのはRSIの平滑線であり、ATRを使う追従幅やトレーリングラインを含むQQE完全版ではありません。原典の「異なる設定を同じ尺度で比べる」という表示上の課題を、計算内容が分かる形へ絞って移植しています。
67_Dual_QQE_Centered_Comparison_v1_00.mq5 をダウンロード
主なパラメーター¶
| パラメーター | 初期値 | 役割 |
|---|---|---|
InpRsiPeriod | 14 | 元になるRSIの期間 |
InpFastSmooth | 5 | 高速線の平滑期間 |
InpSlowSmooth | 50 | 低速線の平滑期間 |
低速期間は高速期間より大きい値を指定します。期間差を広げるほど反応速度の違いは見やすくなりますが、低速線の遅れも大きくなります。
検証結果¶
専用MT5(Build 6090、EURUSD・H1)で、配布インジケーターと独立検証プログラムを各0エラー・0警告でコンパイルしました。インジケーターを実チャートのサブウィンドウへ追加し、BarsCalculated()は10,042本でした。
高速線と低速線を各1,000本、独立計算用の元RSIを1,049本取得しています。高速線は50より上475本・下525本、低速線は上458本・下542本で、2本の値が異なる地点は1,000本でした。元RSIから2種類の平均を別計算して全1,000地点を照合し、不一致0を確認しています。
さらに、実際のサブウィンドウが最小0.00・最大100.00で、50が中央になることを取得値で検査しました。画像取得エラーは0で、注文・ポジション操作もありません。
注意点¶
固定軸は設定間の比較を正しくしますが、値動きを拡大表示しないため、相場によっては線の変化が小さく見えます。それは表示不良ではなく、0〜100という共通尺度を維持した結果です。
平滑期間が長い線ほどノイズは減りますが、変化への追従は遅れます。2本の交差だけで将来の方向や収益性が決まるものではありません。利用する銘柄・時間足で十分に検証し、売買判断はほかの条件やリスク管理と組み合わせてください。
まとめ¶
複数のオシレーターを比較するときは、中心線が同じだけでは不十分です。計算値を一つのサブウィンドウへ集め、縦軸も共有して初めて、速さや振幅を同じ物差しで読めます。今回の高速・低速2ラインは、その違いを数値と実チャートの両方で確認できる最小構成です。
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