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【検証#16】「通貨の強弱」を可視化するKu-Chartの計算式」を再現する

Ku-Chart検証結果

図:Ku-Chartインジケータの表示結果

この記事の3行まとめ

  • 👑 Ku-Chart は「通貨ペア」ではなく「通貨単体」の強弱を可視化するツール
  • 📐 計算式は対数変化率の積み上げと、全体平均からの偏差(中心化)
  • 💡 ドルストレート数ペアがあれば、主要通貨のパワーバランスは計算できる

はじめに

この記事は、「とあるMetaTraderの備忘秘録」様のブログ記事を検証・紹介するシリーズの第16弾です。

当ブログで何度も参照しているFAI氏ですが、その最大の功績の一つが Ku-Chart(クー・チャート) の公開と普及です。「通貨強弱」「Currency Strength」という概念をMT4ユーザーに広く知らしめた歴史的ツールです。

元ネタ

Ku-chart-Maker2aの4本値を残す。
https://fai-fx.hatenadiary.org/entry/20120202/1328114676
(2012年2月2日 公開 ※シリーズ多数あり)


理論:通貨の「絶対的な強さ」とは?

「EURUSDが上がった」とき、 1. ユーロが強くなったのか? 2. ドルが弱くなったのか? 3. 両方動いたのか?

チャートを見ているだけではわかりません。そこで、主要通貨(USD, EUR, JPY, GBP, AUDなど)の相互関係を分解し、それぞれの「単独パワー」を算出したのがKu-Chartです。

計算ロジック(簡易版)

  1. 対数変化率: 基準となる価格(例:今日の始値)に対して、どれだけ動いたかを対数 (Log) で計算します。
    • Log(EURUSD) = Log(EUR) - Log(USD)
  2. 中心化: 全通貨のパワーの合計が常に「0」になるように調整します。
    • 誰かが強くなれば、必ず誰かが弱くなる(ゼロサム)という考え方です。

MQL5での検証コード

今回は理論の検証として、ドルストレート4ペア(EURUSD, GBPUSD, AUDUSD, USDJPY)から5通貨(USD, EUR, GBP, AUD, JPY)の強弱を描画するインジケータを作成しました。

ファイル名: 16_KuChart_Simple.mq5 保存先: MQL5\Indicators
注意: 複数の通貨ペアデータを参照するため、初回表示には時間がかかる場合があります(記事#15参照)。
: ブローカーごとの通貨ペア名サフィックス(EURUSD- など)は自動検知して対応します。

MQL
// 各通貨のUSDに対する強さを計算
double val_eur = MathLog(eur_usd / base_eur);
double val_gbp = MathLog(gbp_usd / base_gbp);
double val_jpy = -MathLog(usd_jpy / base_jpy); // USD/JPYは逆数なのでマイナス
double val_usd = 0; // 基準

// 全体の平均を引く(中心化)
double average = (val_eur + val_gbp + ... + val_usd) / 5.0;

BufEUR[i] = val_eur - average;
BufUSD[i] = val_usd - average;
// ...

見方

  • 最も上のライン: 今、最も買われている(強い)通貨
  • 最も下のライン: 今、最も売られている(弱い)通貨
  • 戦略例: 最強通貨を買い、最弱通貨を売るペアを選択する。

まとめ

ポイント 内容
Ku-Chart 相場の「地合い」を読む最強のツールの一つ
ドルストレート EURUSD, USDJPYなどの主要ペアさえあれば計算可能
活用法 通貨選び(Symbol Selection)に使うのが一般的

オリジナルのKu-Chartはもっと多機能(オフラインチャート化、リセット日時指定など)ですが、基本原理はMQL5でも変わりません。現代のトレードでも十分に通用するロジックです。


ソースコードのダウンロード

この記事で紹介したコードをダウンロードできます。

ファイルの種類:インジケータ

保存先: MQL5/Indicators/ フォルダ
使い方: MT5のナビゲーターから「インディケータ」を展開し、チャートにドラッグ&ドロップで適用

16_KuChart_Simple.mq5 をダウンロード


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